植物にとってのエッセンシャルオイル

エッセンシャルオイルは私達に色々な恩恵を与えてくれますが、そもそも植物がエッセンシャルオイルを作り出す理由は何なのでしょうか。正直なところ、エッセンシャルオイルが植物自身にとってどういう効果をもたらしているかについては、現在でもはっきりと解っていない部分がたくさんあります。実際、学者の間でも意見が分かれています。

 

学者の中には、エッセンシャルオイルは植物にとって単なる老廃物であり、特に何の意味も効果も持っていないと言う人もいるようです。しかし、実際にエッセンシャルオイルの植物内での働きを観察してみると、あまり納得出来る説ではありません。

 

おそらく、自然界で生き残っていくための重要な手段として、植物はエッセンシャルオイルを自ら作り出し、その香り成分の持つ効果を色々な方面で活用していると考えられます。

 

動物に対して植物が持つ大きな弱点は、移動することが出来ないということです。動物は天敵などに襲われた場合、逃走したり、応戦したり、声で威嚇したりすることが可能です。また、やっかいな細菌の増殖を抑えるために、水浴びなどをしてで身体を洗い清めることもできます。植物はこうしたことが出来ない代わりに、エッセンシャルオイルの香りやその効果を巧みに利用しているようです。

 

例えば、受精のために花粉を運んでくれるミツバチをおびき寄せるためだったり、外敵の嫌がる香りを発して近寄らせないためだったりというように。いずれにしても、これらは植物が生存していくための知恵であるともいえるのです。